FIREとは、「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的自立と早期退職を目指すライフスタイルのことです。つまり、十分な資産を築き、投資などで運用しながら働かずに生活できる状態をいいます。でも、早期退職っていつまででしょうか?一般的には40代、50代前半くらいまででしょうか。でもいまや平均寿命は80才を超え、健康寿命(日常生活に制限なく過ごせる期間)も男性72才、女性75才になっています。年金受給は65才(繰り上げ受給もできますが、減額される)となり、サラリーマンの多くの人が65才まで働くのが当たり前となっています。つまり、いまとなっては60才で退職しても十分に早期退職といえるのではないでしょうか。いまアラフィフだとしてもあと10年あります。この10年の過ごし方次第で十分にFIREを目指せます。もちろん、働くのが楽しければ続ければいいのです。でも、趣味をメインに生活したいのであれば退職を選べる。この選択権こそが「本当の自由」なんだと思います。では実際にFIREに向けて何をしていけばいいのでしょうか。
どの程度の資産が必要?
まずFIREとは投資などの収入で生活できる状態ですので、どの程度の資産が必要か考えてみましょう。一般的には、「1年間の生活費 x 25倍 」の資産が必要とされています。例えば、1年間の生活費が300万円(月25万円)とすると、その25倍ですから、7500万円となります。これは、いわゆる4%ルールによるもので、退職後に資産を4%(7500万円x4%=300万円)づつ切り崩していって生活していきます。それでも投資の運用(物価上昇を加味しても4%の運用利益が見込める。)によってその元本が減らないため、一生働かずに生活できる状態となります。
厚生年金が鍵!
7500万円なんて絶対無理って思うかもしれませんが、私たちサラリーマンは現在多額の社会保険料を支払っており、その見返りとして厚生年金を受給することができます。つまり、退職後、65才までは投資収入のみですが、その後は年金も収入となりますので、必要なのはその差額となります。例えば年間200万円の年金が見込める場合は、生活に必要な費用は年間100万円となるのです。つまりは年間100万円の投資収入と60~65才に必要な生活費があればFIRE可能となります。改めて計算してみましょう。100万円の25倍=2500万円に、5年分の生活費の不足分(年間200万円 X 5年)1000万円を加えると、3500万円あればよいことになります。
節約がFIREへの入り口
さらに言えば、現在の生活の中で節約できる部分は多くあるはずです。年間300万円の生活費を250万円にすることができれば、50万円の25倍=1250万円が削減されます。つまり3500万円から1250万円を差し引くと残り2250万円となります。節約は貯蓄の増加にもつながります。月5万円の貯蓄をしているとすると年間60万円、いま50万円の節約をしていますので年間で110万円の貯蓄となります。これを10年続けると1100万円。2250-1100=残り1150万円。現在の貯蓄と、退職金を考えると。。。なんだか現実味が出てきます。節約については多岐にわたりますが、まずは固定費の見直しから。食費の削減、スマホの契約変更、サブスクの見直しなどなど。ふるさと納税はマストです。節約がストレスにならない程度にするのが長く続けるコツです。私の場合は実際に節約を始めると毎月目に見えて貯蓄が増えるのが楽しくて、どんどんはまっていきました。
長期投資で実現可能に
ここまでは100%貯蓄していくという前提で計算を行ってきました。FIREは投資などの収入で生活できる状態ですので、結局のところ貯蓄=投資となります。つまり、10年分の投資収入も見込むことができるのです。新NISAで人気のインデックスファンド(オルカンやS&P500)に長期投資することで、年率5%前後の資産増加が見込めます。年間110万円の貯蓄を積み立て(10年で1100万円)た場合、年率5%として計算すると約400万円の資産増加となります。つまり残りの1150万円から400万円を差し引くと、残りは750万円となります。現在の貯蓄と、退職金を考えると。。。なんだか出来る気がしてきます。目先の利益を夢見てハイリスクな投資を行わないのがFIREへの近道です。もちろんインデックスファンドも数十パーセント暴落の覚悟は必要です。何があっても売らない、必ず上がると信じて持ち続けることが肝要です。
まとめ
アラフィフからでもFIREは十分に目指していけます。現在の生活費を把握し、年金を加味することで現実的な計画を立てることができます。節約を行うことでより現実味が増し、長期のインデックス投資をすることでより身近なものに。家庭の事情はさまざまですので誰でも可能になるわけではありませんが、単身世帯であったり、お子さんが早くに独立された家庭では十分に実現可能なことと思います。自分で生き方を選択できる「本当の自由」を手に入れてください。
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